zeroingについて

Zeroingの全て

 
第一章 zeroingとは
 
まず、zeroingとは、F2L#4を行わずに、このような、f:id:hikomatazaemon:20201215194852j:plain
OLLはパッと見 揃ってるけど、F2L#4のコーナーだけU面に出てきている状態"
にした後、コミューテーターを1回か2回使って揃えることを言います。
と、言っても、イメージしにくいと思うので、すぐ下にリンクをはっておきました。
 
この状態を、この記事では「ひょっこりはん」と呼ぶことにします。F2Lのコーナーがひょっこり上に出てきているからです。
 
このzeroingは、世界記録保持者のFeliks zemdegsがたまに使うことで有名です。
初めにzeroingが使われたのは、2015年1月31日、Lifestyle seasons summer2015という大会の3×3、2回戦の4試技目です。
 
 
 
 
第二章 世界を驚愕させたzeroing
 
このソルブがYouTubeに投稿された時は、「理解不能」や、「魔法」などと言われ、話題になりました。
こちらが解法です
Scramble: F2 D' L2 F2 D L2 R D' L'U' L' D2 F2 R F D'F' U2 
Solve: z 2 
D R  D2  F' U  D' 
L U' L' U 
y' R' F R F' R U' R' 
y R U' R' U' F' U'  y L 
U R U' R' 
R' D 'R U' R' D R     U     R' D' R U2 R' D R
 
FeliksはF2L#4で、こちらのF2Lに出くわしました。

f:id:hikomatazaemon:20201215234117j:plain

普通なら(U R U' R') U' (R U' R' U )(R U' R')で揃えますが、FeliksはR U' R'でエッジのみを揃えて、ひょっこりはんの形にします。

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ここからただコミューテーターを一度使ってOLLskipさせるのがOLSです。(U R' D' R U' R' D R)
しかしFeliksはコミューテーターを2回使い、全て揃えてしまいました。
ここでコミューテーターのみを使って揃えるには、EP(エッジの位置)が、全て合ってないといけません。
そして、基本、zeroingをする時は、コーナーは下面の色(下図だと黄色)がFURのRに来るようにします。

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この状態からコミューテーター一回で揃えることができるケースは、たったの3つ。

コミューテーター2回で揃えられるケースは、大きく分けて4つあります。(鏡関係や逆関係を除く)

それぞれのケースにどのようにコミューテーターを回せば良いか、回転記号を書くのが面倒なので動画を撮りました。

zeroingで、使われるコミューテーターは、非常に簡単なものです。おそらく動画の方が分かりやすいので、是非見てほしいです。

 https://youtu.be/GNdBz6VrO74


第三章 Feliksは実はzeroingしようとしていない

 

Feliksは、EPまで揃うことを見越してひょっこりはんの状態にしたのでしょうか?だとしたらとてつもない先読み力ですが、答えはNOです。
YouTubeで色々探してみると、Feliksが zeroingをしようとしたけど出来なかったように見えたソルブが4つ見つかりました。これはおそらくzeroingをしようとしたのではなく、そもそもzeroingする気なんてないのです。
zeroingに失敗(失敗という言い方は間違いかもしれません。彼はおそらく「zeroingできたらいいなー」くらいの感覚でいると思います。)したときは、
①CPを揃えるか、②簡単なPLLを出しています。
zeroingできなくても、CPだけなら、揃えることができます。
zeroingに失敗して、CPを揃えてUpermを回してる様子はYouTubeで3回ほど見つけました
そのソルブから再生できるリンクです↓




CPを揃えるには、ヘッドライトを見つけて、ヘッドライトに関係ないピースを拠点にしてコミューテーターを回します。 
EPが揃ってるかどうかの確認に0.2秒ほど時間を使っていますが、コミューテーター、Upermのつながりが良すぎて何しているか1回目ではわかりません。
 
次のソルブでは、UpermではなくJpermを出しています。(4×4です)
 


 
こちらは、面白いことに、ひょっこりはんにするために、suneを回しています。そして、コミューテーターでJpermを出して、2手ほどキャンセルが入ってRULgenのJpermを回しています。ものすごい技術ですね。
 
おそらくこの時はCPを揃えるよりも、ブロックを生かしてJpermを回した方が速いと分かっていたんですね。
 
全体を通して見てみると、zeroingできない時は、コミューテーターを一度しか使っていません。
コミューテーターを2回回すくらいなら、PLLを回した方が速いからです。
コミューテーター一回回すだけでも、対角回避とGパーム回避くらいは出来るようです。
 
ひょっとしたら全パターンに対してどのピースを巻き込んで、なんのPLLを出すのか、決めているかも知れません。
 
ちなみに、このケースは目隠しの手順で揃います

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U2     R U' R' U' R U R' F' R U R' U' R' F R

 

第四章 ひょっこりはんに持っていけるケース

 

ひょっこりはんの形に持っていけるケースは、大きく分けて3つあります。

一つは、EOが揃っていて、コーナーもエッジもU面にあるケース

 

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R U' R'  

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R U' R' y'

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U R U2 R' y'  feliksがofficialでzeroingしたケースです。有名ですね。

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R U' R'

 

そしてもう一つは、F2Lのエッジが入っているケース

feliks がこのケースをひょっこりはんにしたのは2回しか見たことないです。そしてどちらも、この時でした↓

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ここからsuneを回すと、ひょっこりはんになります

R U R' U R U2 R'

 

そしてもう一つ、EOが揃ってないケースです。

これは私が考えたものです。誰が使っているのも見たことがないですし、私自身も使ったことはありません。判断しやすいものを集めました

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F R' F' R  (ヘッジスラマー)

ブロックがあるので判断しやすい方だと思います。

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R' F R F' (スレッジハンマー

こちらも判断しやすいです。これだけでひょっこりはんに持っていけるの、不思議ですよね

 

第五章 片手には使えるの?

OLLskipできることや、CPがそろうことは、片手にとってはうれしいですよね。

ですが、コミュテーターがなかなか回しにくいです。なので人によりけりですね。

僕は使いますが。

記事は以上です。ここまで読んで下さり、本当にありがとうございました。