Zeroingの全て
第一章 zeroingとは
まず、zeroingとは、F2L#4を行わずに、このような、
OLLはパッと見 揃ってるけど、F2L#4のコーナーだけU面に出てきている状態"
にした後、コミューテーターを1回か2回使って揃えることを言います。
と、言っても、イメージしにくいと思うので、すぐ下にリンクをはっておきました。
この状態を、この記事では「
ひょっこりはん」と呼ぶことにします。F2Lのコーナーがひょっこり上に出てきているからです。
このzeroingは、世界記録保持者のFeliks zemdegsがたまに使うことで有名です。
初めにzeroingが使われたのは、2015年1月31日、Lifestyle seasons summer2015という大会の3×3、2回戦の4試技目です。
第二章 世界を驚愕させたzeroing
このソルブが
YouTubeに投稿された時は、「理解
不能」や、「魔法」などと言われ、話題になりました。
こちらが解法です
Scramble: F2 D' L2 F2 D L2 R D' L'U' L' D2 F2 R F D'F'
U2
Solve: z 2
D R D2 F' U D'
L U' L' U
y' R' F R F' R U' R'
y R U' R' U' F' U' y L
U R U' R'
R' D 'R U' R' D R U R' D' R
U2 R' D R
FeliksはF2L#4で、こちらのF2Lに出くわしました。
普通なら(U R U' R') U' (R U' R' U )(R U' R')で揃えますが、FeliksはR U' R'でエッジのみを揃えて、
ひょっこりはんの形にします。
ここからただコミューテーターを一度使ってOLLskipさせるのがOLSです。(U R' D' R U' R' D R)
しかしFeliksはコミューテーターを2回使い、全て揃えてしまいました。
ここでコミューテーターのみを使って揃えるには、EP(エッジの位置)が、全て合ってないといけません。
そして、基本、zeroingをする時は、コーナーは下面の色(下図だと黄色)がFURのRに来るようにします。
この状態からコミューテーター一回で揃えることができるケースは、たったの3つ。
コミューテーター2回で揃えられるケースは、大きく分けて4つあります。(鏡関係や逆関係を除く)
それぞれのケースにどのようにコミューテーターを回せば良いか、回転記号を書くのが面倒なので動画を撮りました。
zeroingで、使われるコミューテーターは、非常に簡単なものです。おそらく動画の方が分かりやすいので、是非見てほしいです。
https://youtu.be/GNdBz6VrO74
第三章 Feliksは実はzeroingしようとしていない
Feliksは、EPまで揃うことを見越して
ひょっこりはんの状態にしたのでしょうか?だとしたらとてつもない先読み力ですが、答えはNOです。
YouTubeで色々探してみると、Feliksが zeroingをしようとしたけど出来なかったように見えたソルブが4つ見つかりました。これはおそらくzeroingをしようとしたのではなく、そもそもzeroingする気なんてないのです。
zeroingに失敗(失敗という言い方は間違いかもしれません。彼はおそらく「zeroingできたらいいなー」くらいの感覚でいると思います。)したときは、
①CPを揃えるか、②簡単なPLLを出しています。
zeroingできなくても、CPだけなら、揃えることができます。
zeroingに失敗して、CPを揃えてUpermを回してる様子は
YouTubeで3回ほど見つけました
そのソルブから再生できるリンクです↓
CPを揃えるには、ヘッドライトを見つけて、ヘッドライトに関係ないピースを拠点にしてコミューテーターを回します。
EPが揃ってるかどうかの確認に0.2秒ほど時間を使っていますが、コミューテーター、Upermのつながりが良すぎて何しているか1回目ではわかりません。
次のソルブでは、UpermではなくJpermを出しています。(4×4です)
こちらは、面白いことに、
ひょっこりはんにするために、suneを回しています。そして、コミューテーターでJpermを出して、2手ほどキャンセルが入ってRULgenのJpermを回しています。ものすごい技術ですね。
おそらくこの時はCPを揃えるよりも、ブロックを生かしてJpermを回した方が速いと分かっていたんですね。
全体を通して見てみると、zeroingできない時は、コミューテーターを一度しか使っていません。
コミューテーターを2回回すくらいなら、PLLを回した方が速いからです。
コミューテーター一回回すだけでも、対角回避とGパーム回避くらいは出来るようです。
ひょっとしたら全パターンに対してどのピースを巻き込んで、なんのPLLを出すのか、決めているかも知れません。
ちなみに、このケースは目隠しの手順で揃います
U2 R U' R' U' R U R' F' R U R' U' R' F R
第四章 ひょっこりはんに持っていけるケース
ひょっこりはんの形に持っていけるケースは、大きく分けて3つあります。
一つは、EOが揃っていて、コーナーもエッジもU面にあるケース
R U' R'
R U' R' y'
U R U2 R' y' feliksがofficialでzeroingしたケースです。有名ですね。
R U' R'
そしてもう一つは、F2Lのエッジが入っているケース
feliks がこのケースをひょっこりはんにしたのは2回しか見たことないです。そしてどちらも、この時でした↓
ここからsuneを回すと、ひょっこりはんになります
R U R' U R U2 R'
そしてもう一つ、EOが揃ってないケースです。
これは私が考えたものです。誰が使っているのも見たことがないですし、私自身も使ったことはありません。判断しやすいものを集めました
F R' F' R (ヘッジスラマー)
ブロックがあるので判断しやすい方だと思います。
R' F R F' (スレッジハンマー)
こちらも判断しやすいです。これだけでひょっこりはんに持っていけるの、不思議ですよね
第五章 片手には使えるの?
OLLskipできることや、CPがそろうことは、片手にとってはうれしいですよね。
ですが、コミュテーターがなかなか回しにくいです。なので人によりけりですね。
僕は使いますが。
記事は以上です。ここまで読んで下さり、本当にありがとうございました。